4.お〜いお茶のパッケージデザインについて

こんばんは。

5月に入り、楽しかったGWも終わってしまいましたね。

筆者は休みボケが抜けきらず、五月病全開な4日間を過ごしました。


5月といえば、そろそろ新茶の時期ですね。

筆者は新茶をわざわざ購入する程、頻繁にお茶を飲むわけではないのですが、

今回は新茶の時期にあやかり(あやかり?)、お茶路線の話題で行こうと思います。

ということで今回の題材はこちら。


伊藤園「お〜いお茶」のパッケージデザインについてお話ししていきます。


お〜いお茶といえば、言わずと知れたペットボトル緑茶の超有名ブランドですね。

CMの「お〜い、お茶!」というフレーズは誰しも一度は耳にしたことがあるはず。

パッケージも同様で、このパッケージを見たことがない、

という方は、日本人ではおそらくいらっしゃらないでしょう。


パッケージ自体は

黄緑色のバックに墨と筆で書かれたようなロゴがセンターに配置された、

比較的シンプルなデザインですね。


筆者のこのパッケージに対する第一印象は、ぶっちゃけてしまうと

「・・・なんか地味じゃね?」といった感じなのですが。

このパッケージもですね、前回書いたおぎのやさんのロゴデザインのように、

考えれば考えるほど拘りが見えてくる、スルメデザインだったりするんです。


ということで、このお〜いお茶のパッケージについて、もう少し掘り下げて見てみましょう。


まずはこのバックの黄緑色について。

緑茶と聞いて思い浮かぶのは、やはり緑色ですよね。

茶畑やお茶っ葉など、緑茶は文字通り緑色に縁の多い存在です。


まぁ、だからと言ってそれをパッケージのカラーリングとして使うのは当たり前ですよね。

他の緑茶のパッケージだって大抵緑色ですし。


しかしですね、このお〜いお茶のパッケージを見ていただくとわかるのですが

よく見ると、竹の節のようなものが描かれているんです。

ステンレスなどが普及する以前の日本では、水筒は竹製のものが主流だったとされており、

この竹柄のバックは、昔の水筒を模したデザインになっているようなのです。

そもそも水筒の「筒」の字は竹筒からきているそうですし、

日本において水分補給と竹は深い関わりがあるものなのですね。


続いて、このロゴデザインについて。

筆と墨で書かれたような、こちらも比較的シンプルなデザインになっています。


個人的にこのロゴデザインで好きなところは、

この、よくみると所々に見える掠れのような表現です。

この掠れがあるだけで、手書きらしさがグンとアップするような気がします。

(もしかしたら本当に手書きで書いたものをスキャンしたのかもしれませんが)


さて、ここまでお読みいただければわかるかと思うのですが

このパッケージは全体的に 昔ながらの日本らしい表現が多く使われています。

緑茶は古くから日本と共にあったものですし、

こういった日本らしい和な表現は非常にマッチしていますね。


その点を踏まえて、最後に、筆者が個人的にこのパッケージで

一番好きな部分をお話ししていこうと思います。


まずはこちらをご覧ください。

上の画像は、お〜いお茶の裏面になります。

この裏面、なんだか違和感がありませんか?


実はこれ、食品表示(品名や原材料の部分)が縦書きになっているんです。

他のペットボトル飲料水って大体横書きなんですよね。

同じ緑茶のペットボトル飲料と比較して見ても、お〜いお茶のように

縦書き表記なのはあまり見ないように感じます。


縦書きというのは、実は日本独特の表記で、

昭和時代頃まで 文章はほぼほぼすべて縦書きだったのだそうです。

思えば、昔のミミズ文字のような文章も縦書きばかりですよね。

(英単語が横文字と呼ばれる理由はここにあるようです)


といったように、この縦書き表記もまた、

パッケージ内に散りばめられた日本の要素の一つだったわけです。


細部まで拘り、とことんテーマに沿った要素を詰め込むこのスルメデザインっぷり、

筆者はとても好きです。要素を探すのが楽しくて仕方ありません。


ということで今回は

お〜いお茶のパッケージデザインについて考えてみましたが、いかがでしたでしょうか。

やはりデザインの中に隠されたテーマやその要素を探して行くというのは楽しいですね。


以前、4月に関する要素を挙げていったのもそうなのですが、

こういった要素をデザインの中から探して行くというのも、

アイデア出しの練習やデザインの引き出し強化に繋がって良いのではないでしょうか。

皆さんも是非、ふと目にしたパッケージから そういった”要素”を探し出して見てください。


それでは、今回はこの辺りで失礼します。

明日は金曜日、皆さん頑張ってまいりましょう。


余談

今日の記事で使用したお〜いお茶の写真、

ほとんどピントがあっていない事に記事を書いている途中で気づきました。

スマホで写真撮るのって中々難しいですね。筆者は結構苦手です。


デザイン見考調録

専門学校の課題の一環として、日常の中にあるデザインのあれこれを雑多に書いていきます。

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